2023.6.2

グルメ / 釧路・阿寒・根室

根室の"謎"ご当地グルメ「エスカロップ」って何?名店「どりあん」を取材!【根室】

どりあん 外観

みなさん「エスカロップ」って何か知っていますか?「栄養ドリンクか何か?」と思われそうですが、これは北海道の最東端・根室のソウルフードなんです。

とは言いつつも、知らない道民の方もいるのではないでしょうか?そこで今回は、根室でエスカロップを広めてきた有名店の一つ「食事と喫茶どりあん」(以下どりあん)で、お話をうかがってきました。

カツにバターライス、ボリューム満点「エスカロップ」

そもそも「エスカロップ」とは何なのか?「どりあん」の2代目店主、小滝さんに教えていただきました。

エスカロップはフランス語で、肉や魚の薄切りのこと。薄切りの肉に小麦粉、卵、パン粉を付けてバターで揚げ焼きにします。タケノコのみじん切りが入ったバターライスの上に、カツを乗せデミグラスソースをかけたものが「エスカロップ」です。

「初期のバターライスは、マッシュルームと玉ねぎが入っていました。しかし、物流的に手に入りづらく、タケノコで代用したのが今もそのまま残っているんだと思います」と小滝さん。
 
エスカロップ

「エスカロップ 980円(税込)」

「モンブラン」で誕生し受け継がれる「エスカロップ」

エスカロップの歴史
根室で誕生してから約60年の長い歴史を持つ「エスカロップ」。その歴史についてお話をうかがいます。

1963年に「モンブラン」という店で「エスカロップ」が、初めてメニューに登場しました。横浜でシェフとして働いていた古村欣也さんが、原型となる「エスカロッピーニ」を根室に持ち込んだのです。

そこから、別のシェフが「モンブラン」から独立して「ニューモンブラン」を創業しました。1965年に「モンブラン」は閉店するも「ニューモンブラン」で、エスカロップは引き継がれます。

その後「ニューモンブラン」で修行していた小滝さんのお父さまが、1969年に「どりあん」を創業しました。

「70年代ころ、根室の人口が増えて喫茶店ブームが起こったんです。エスカロップを出す喫茶店も増え、60店舗ほどありました。どりあんの店の辺りも人であふれて、歩行者天国になっていましたよ」と小滝さん。

漁師受けと家族で受け継ぐレシピで根室だけに根付く

なぜ、根室だけにエスカロップが根付いたのか気になりますよね。

「エスカロップは、ライスを炒めるのとカツを揚げるのを同時進行でやります。大体3分でできるんです。根室は漁師町だから、せっかちな漁師にも受け入れられたんじゃないかな」と小滝さん。

ボリューム感と提供スピードの速さが、漁師にも地元の人たちにも愛される要因となったんですね。

また「エスカロップの店はどこも家族経営だから、レシピが外に出て行っていないんです。実際レシピというものはなくて、自分の舌で味を覚えています。その日の食材の様子に合わせて、調味料も目分量で調整しているからね」とも、言っていました。

一見簡単そうに見えて同じ味を再現する難しさが、根室だけに留まるもう一つの理由なようです。
 
店内 有名人のサイン

有名人のサインがたくさん

「ソースが命!」どりあんのこだわり

どりあん店内

昭和レトロで落ち着く店内

エスカロップを提供する店が何店舗かある中で「どりあん」だけのこだわりについてお聞きしました。

「うちのエスカロップのこだわりは『デミグラスソース』。小麦粉を茶色くなるまで約2時間ずっと炒めるんです。それに香味野菜を合わせて作っています。『ソースが命!』俺がやめたら途絶えてしまうよ…」と、小滝さん。
エスカロップ初心者の筆者もいただきました。丁寧に作られたソースはさらっとしているけど濃厚な味わい。そのソースが染み込んだカツ、くどすぎないバターライス、全てが絶妙なバランスです。ボリューム満点ですが、食べらさります!
エスカロップ アップ

「根室の変なメニュー」として有名に?今も変わらず人気店

どりあん店主 小滝さん

2代目店主 小滝祥平さん

生まれも育ちも根室の小滝さんは、若い頃は東京でサラリーマンをしていたそうです。長男ということもあって根室に戻り、店を引き継ぎました。ちょうどそのころ、エスカロップが「根室の変なメニュー」としてメディアで取り上げられ、注目を浴び始めたそうです。

それまでエスカロップは、地元の人たちだけが知っている地元飯でした。「昔からあったものだから、エスカロップが一気に脚光を浴びるなんて驚きました」と、小滝さん。

多い日ではカツを200枚ほど仕込むという、今もなお来客がたえない人気店「どりあん」。

「仕込みは大変だけど、せっかくうちにエスカロップを食べに根室まで来てくれているんだから、がっかりさせられないです。来た人みんなが満足して帰ってもらうのは、店をやる人の責任だね!」と、笑顔で語ってくれました。
 

いつか制覇を!根室ワンプレートシリーズ

実は、根室のご当地フードは「エスカロップ」だけではないんです。メニューを見ると「オリエンタルライス」という、謎の名前が付いたものがあります。

こちらもエスカロップと同じ考案者、古村さんが作ったオリジナルメニュー。「薄めの味付けのドライカレーに牛ハラミのカツが乗っています。カレーから東洋風と連想され『オリエンタル』と、名前が付いたみたいです」と、小滝さんが教えてくれました。

さらに市内の他の店舗へ行くと、スタミナライスにパンチライス…聞きなじみのない食べ物がまだまだ出てきます。(実は考案したシェフはみんな、知り合いでつながっているのだとか)

独自の発展を遂げている根室のワンプレート文化に、好奇心がそそられませんか? しかし、一品で漁師を満足させるだけのボリュームがあるので、一日で制覇は難しい…。

これは根室に通って制覇するしかなさそうですね。
 
どりあんメニュー表
食事と喫茶どりあん
住所:根室市常盤町2−9
電話番号:0153-24-3403
営業時間:午前10時〜午後7時30分
定休日:火曜
駐車場:有り
Facebook:食事と喫茶どりあん

(上記の情報は記事作成時点のものです。
最新の情報は店舗・施設にお問い合わせください)

カツにバターライス、ボリューム満点「エスカロップ」

エスカロップ

「エスカロップ 980円(税込)」

そもそも「エスカロップ」とは何なのか?「どりあん」の2代目店主、小滝さんに教えていただきました。

エスカロップはフランス語で、肉や魚の薄切りのこと。薄切りの肉に小麦粉、卵、パン粉を付けてバターで揚げ焼きにします。タケノコのみじん切りが入ったバターライスの上に、カツを乗せデミグラスソースをかけたものが「エスカロップ」です。

「初期のバターライスは、マッシュルームと玉ねぎが入っていました。しかし、物流的に手に入りづらく、タケノコで代用したのが今もそのまま残っているんだと思います」と小滝さん。
 

「モンブラン」で誕生し受け継がれる「エスカロップ」

エスカロップの歴史
根室で誕生してから約60年の長い歴史を持つ「エスカロップ」。その歴史についてお話をうかがいます。

1963年に「モンブラン」という店で「エスカロップ」が、初めてメニューに登場しました。横浜でシェフとして働いていた古村欣也さんが、原型となる「エスカロッピーニ」を根室に持ち込んだのです。

そこから、別のシェフが「モンブラン」から独立して「ニューモンブラン」を創業しました。1965年に「モンブラン」は閉店するも「ニューモンブラン」で、エスカロップは引き継がれます。

その後「ニューモンブラン」で修行していた小滝さんのお父さまが、1969年に「どりあん」を創業しました。

「70年代ころ、根室の人口が増えて喫茶店ブームが起こったんです。エスカロップを出す喫茶店も増え、60店舗ほどありました。どりあんの店の辺りも人であふれて、歩行者天国になっていましたよ」と小滝さん。

漁師受けと家族で受け継ぐレシピで根室だけに根付く

店内 有名人のサイン

有名人のサインがたくさん

なぜ、根室だけにエスカロップが根付いたのか気になりますよね。

「エスカロップは、ライスを炒めるのとカツを揚げるのを同時進行でやります。大体3分でできるんです。根室は漁師町だから、せっかちな漁師にも受け入れられたんじゃないかな」と小滝さん。

ボリューム感と提供スピードの速さが、漁師にも地元の人たちにも愛される要因となったんですね。

また「エスカロップの店はどこも家族経営だから、レシピが外に出て行っていないんです。実際レシピというものはなくて、自分の舌で味を覚えています。その日の食材の様子に合わせて、調味料も目分量で調整しているからね」とも、言っていました。

一見簡単そうに見えて同じ味を再現する難しさが、根室だけに留まるもう一つの理由なようです。
 

「ソースが命!」どりあんのこだわり

どりあん店内

昭和レトロで落ち着く店内

エスカロップを提供する店が何店舗かある中で「どりあん」だけのこだわりについてお聞きしました。

「うちのエスカロップのこだわりは『デミグラスソース』。小麦粉を茶色くなるまで約2時間ずっと炒めるんです。それに香味野菜を合わせて作っています。『ソースが命!』俺がやめたら途絶えてしまうよ…」と、小滝さん。
エスカロップ アップ
エスカロップ初心者の筆者もいただきました。丁寧に作られたソースはさらっとしているけど濃厚な味わい。そのソースが染み込んだカツ、くどすぎないバターライス、全てが絶妙なバランスです。ボリューム満点ですが、食べらさります!

「根室の変なメニュー」として有名に?今も変わらず人気店

どりあん店主 小滝さん

2代目店主 小滝祥平さん

生まれも育ちも根室の小滝さんは、若い頃は東京でサラリーマンをしていたそうです。長男ということもあって根室に戻り、店を引き継ぎました。ちょうどそのころ、エスカロップが「根室の変なメニュー」としてメディアで取り上げられ、注目を浴び始めたそうです。

それまでエスカロップは、地元の人たちだけが知っている地元飯でした。「昔からあったものだから、エスカロップが一気に脚光を浴びるなんて驚きました」と、小滝さん。

多い日ではカツを200枚ほど仕込むという、今もなお来客がたえない人気店「どりあん」。

「仕込みは大変だけど、せっかくうちにエスカロップを食べに根室まで来てくれているんだから、がっかりさせられないです。来た人みんなが満足して帰ってもらうのは、店をやる人の責任だね!」と、笑顔で語ってくれました。
 

いつか制覇を!根室ワンプレートシリーズ

どりあんメニュー表
実は、根室のご当地フードは「エスカロップ」だけではないんです。メニューを見ると「オリエンタルライス」という、謎の名前が付いたものがあります。

こちらもエスカロップと同じ考案者、古村さんが作ったオリジナルメニュー。「薄めの味付けのドライカレーに牛ハラミのカツが乗っています。カレーから東洋風と連想され『オリエンタル』と、名前が付いたみたいです」と、小滝さんが教えてくれました。

さらに市内の他の店舗へ行くと、スタミナライスにパンチライス…聞きなじみのない食べ物がまだまだ出てきます。(実は考案したシェフはみんな、知り合いでつながっているのだとか)

独自の発展を遂げている根室のワンプレート文化に、好奇心がそそられませんか? しかし、一品で漁師を満足させるだけのボリュームがあるので、一日で制覇は難しい…。

これは根室に通って制覇するしかなさそうですね。
 
食事と喫茶どりあん
住所:根室市常盤町2−9
電話番号:0153-24-3403
営業時間:午前10時〜午後7時30分
定休日:火曜
駐車場:有り
Facebook:食事と喫茶どりあん

(上記の情報は記事作成時点のものです。
最新の情報は店舗・施設にお問い合わせください)

鎌田絵里奈

知床在住ライター

北海道とカフェとアウトドアが大好きな、知床在住の道産子バリスタライター。
おしゃれなカフェ、美しい自然や景色の写真を撮るのが趣味。バリスタとしてコーヒーを淹れる傍ら、北海道を駆け回り全身で体感して、道内に限らず国内外の人たちへ、大好きな北海道の魅力を発信していきます!

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